新撰組分裂!その闇の部分を知る男(絶版本のヒーローが歴史を動かす2)

鉄の規律で結束を誇った新撰組も分裂の時を迎えた。勤皇を唱える伊東甲子太郎らがあくまでも佐幕を主張する局長の近藤勇らと別れ、御陵衛士を結成した。伊東らは薩摩藩士らにも接近し、次第に倒幕へと向かい、ついには近藤勇暗殺をも画策する。ところが、御陵衛士からひそかに抜け出し、伊東らの計画を近藤に密告した者がいた。斎藤一である。斎藤からの知らせを受けた近藤はたくみに伊東らを誘い出して、殺害した。
慶応三年(1867)十一月十九日。大政奉還から約一ヶ月、坂本龍馬暗殺の四日後のことであった。

伊東らを密告した斎藤一は、明治維新後も生き延びた。新撰組の闇の部分もそしてその滅亡後の日本も知る男である。

斉藤一(菊池道人著 PHP研究所)

https://hon-to.jp/asp/ShowSeriesDetail.do?seriesId=B-MBJ-20224-100296006-001-001



紙製本 PHP文庫 2003年